戦国大名も戦勝祈願した、
由緒正しい神社

高知県の県庁所在地・高知県高知市にある若宮八幡宮。その歴史は古く1185年に源頼朝によって創建され、1560年には戦国大名の長宗我部元親(ちょうそかべ もとちか)公が長浜城を攻略した際、こちらの神社で戦勝を祈願し初陣にのぞんだところ見事に打ち破ることができた、という逸話も残っている。どろんこ祭りは毎年、4月の第一土曜日から3日間の日程で行われる。

(土佐の「いごっそう」が泥まみれ! 若宮八幡宮「どろんこ祭り」)

「楽しい祭りは、大抵よごれる?」

そんな問いかけを検証すべく、日本と世界の知られざる「よごれるけど楽しいお祭り」を紹介するこの連載。
今回は高知県高知市へ飛びました。今回ご紹介するのは、観光地として有名な桂浜からも車で10分ほどの場所にある、若宮八幡宮の「どろんこ祭り」です。400年以上の伝統を持つ、豊作祈願の春祭り。前回の和良比の祭りとは、また違ったどろんこのようで……楽しみです!

こちらが若宮八幡宮。かなり大きな神社で、参道や境内の大木に歴史と風格を感じます。華やかな格好をしている人は、祭りに参加する人のよう。期待が高まりますね!

近くには長宗我部元親公の銅像も。歴史好き女子、いわゆる「歴女」たちからは抜群の人気を誇る武将でもあります。

正午近くになり、いよいよ祭りが始まります。舞台となるのは境内にある「儀式田」前回の和良比はだか祭りでは主役は男衆でしたが、今回行列の中心となっているのは華やかな衣装を着て、手桶を持った女性たち。

そう、この若宮八幡宮のどろんこ祭りは、女性が主役となる全国でも珍しい祭りなんです。踊りながら入ってくるその華やかさに、思わず目を奪われます。

まずは祝詞が詠まれ祭典が行われたあと、笠をかぶった「早乙女」たちによる「お田植え」が始まります。未経験者が大半なのか、泥の中でちょっとおっかなびっくりな様子です。

そのため、途中からベテランの手助けが入っていました。手慣れた手つきで田植えを進めるお母さん方。

田植えが始まってまもなくすると、音楽がスタート。周囲にいる「踊り子」たちが田植えの間、曲に合わせて踊っていきます。幅広い年代の女性が手桶を持って踊るさまは壮観。

お田植えが終わったら、太鼓が鳴らされます。いよいよここから「泥塗り」が開始!小分けにされた泥を手桶に入れた女性たちが、一斉に周囲で田植えを見守っていた男性に群がります。

この若宮八幡宮の「どろんこ祭り」、泥を塗るのは女性、そして塗られるのは男性のみ! そのため、「女天下のどろんこ祭り」とも言われているのです。

神主さんもどろんこ。泥を塗られた男性は夏病みしないという言い伝えがあり、泥を塗ってくれたお礼を言うのが習わしです。逃げるなんてもってのほか!

小さい子も、おじいちゃんも、男性はみんなどろんこ。若い女の子はちょっと遠慮がちに塗っているのに比べ、ベテランのお母さんたちは「あらいい男!」と威勢よく塗っていきます。

ちなみに土佐の男性は「いごっそう」と呼ばれ、お酒に強く頑固で気骨のある性格なのだとか。そんな「いごっそう」を支える土佐の女性は、働き者で活発・快活な気風なのだそうです。確かに女性たち、みんな元気いっぱい!

この祭りはこの後、3日間にわたって行われます。この日は坂本龍馬像で有名な桂浜や周辺の観光地にも向かい、踊りと「泥塗り」を披露していました。

お天気もよく、青い海に衣装が映えてとても素敵な光景です。

居合わせた観光客の方も、泥を塗ってもらってニコニコ。

参加者の方々にお話を聞いてみました。今回、お田植えを手伝っていた地元中学校のバトミントン部女子たち。先生方によると、早乙女の人数が足りないこともあり昨年から参加しているのだとか。
「泥を塗るのも楽しかったけど、田植えはもっと楽しかった!」とのこと。働き者の気性の現れでしょうか!?

こちらは地元出身のご家族たち。お母さんたちは若い頃は「早乙女」で参加したり、その後は踊り子で参加したり……地元の方々にとっては、毎年欠かせない大切な祭りなんですね。

というわけで、見に行く男性はぜひ、笑顔で泥を塗られてみてください。「いごっそう」気分が味わえるかも!?

[よごそう祭りレーダーチャート][よごそう祭りレーダーチャート]

※よごそう祭りの感じ方には個人差があります。

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