イギリスの丘陵地帯で行われる、
伝統ある祭り

毎年5月最終月曜日の「Spring Bank Holiday」と呼ばれる、イングランド銀行の休業日であり国民的な休日の日に行われる。イングランド中央部に広がる丘陵地帯、コッツウォルズ地方のグロスターにある「クーパーズヒル」という丘が舞台。正確な紀元は不明だが、記録によれば少なくとも200年以上前から行われている。

「楽しい祭りは、大抵よごれる?」

この連載では、そんな問いかけを検証すべく、日本と世界の知られざるよごれるけど楽しいお祭りを紹介していきます。


今回のお祭りは、テレビでも話題のイギリスの奇祭「チーズ転がし祭り」!
もうその名前からインパクトがありますよね。お祭りの内容は単純明快、「丘の上からチーズを転がし、それを追いかける」というものです。まさに「チーズ転がし」!
とはいえ、一筋縄ではいきません。このお祭りで用いられるチーズはダブルグロスターチーズという、セミハードタイプのチーズ。重さはなんと約4kgだそうです。


祭りの流れですが、まずは丘の頂上に最大20人の参加者が並びます。司会者による合図でチーズを転がし、チーズが勢いよく坂を転がり始めたところでレース開始!参加者はひたすらチーズを追いかけます。
しかし、舞台はかなり急な丘陵地帯。どんどん加速していくチーズは時速100km近くに……。そんなスピード、しかも急斜面でチーズを追いかけるものだから、当然参加者は……勢いよく転びます! というか転ばずに斜面を降りるのは至難の業かも!? さながら「人間転がし祭り」状態。

斜面をゴロゴロ転がってゆく大の大人たち。転んでいるのですが、参加者はみんな笑顔、そして観ている人も大笑い! もちろん丘を転がりますから、みんな泥だらけ! それでもみんな、ドロドロのまま楽しそうにゴロゴロ転がっていきます。これこそが、この「チーズ転がし祭り」の醍醐味なのです。
丘の下には、転がってくる人を受け止めるスタッフたちが待ち構えています。彼らも当然ドロドロ、なかなか大変なお仕事です。

チーズに追いつくのはあくまで目標で、実際にはふもとのゴールに一番先にたどり着いた人が優勝というルールになっています。見事優勝した人に贈られるのはこれまたチーズ(笑)

地元の方曰く「素晴らしきクレイジーな伝統」というこの祭り。SNSなどのおかげで、今では世界中から参加者が集まってくる有名なお祭りになりました。
ところが、ご覧の通りかなり危険も伴う祭りのため、けが人が続出! 常に救急車が待機しているという有り様……そのため一時は中止が宣言されましたが、お祭りに思い入れのある有志により続行されることになったそうです。

参加には事前登録などは必要なく、現地に行けば先着順で受け付けてくれるそう。一番盛り上がるのは最初に行われるレース! なぜなら、本物のチーズが使われるのはこの1回のみだから。当然このレースは、勢いもスピードも、そして転がる様子も迫力満点に。

一方で、初心者向けの比較的安全なレースもあります。例えば、女性のみのレースや子ども対象の「坂の駆け上りレース」など。どんな人でも参加できるのが嬉しいですね。

来年も5月の最終週に行われるはずのこの「チーズ転がし祭り」。脚力とバランス感覚に自信のある方はエントリーしてみてはいかがでしょうか!? ただ、ケガにだけは気をつけてください! あくまでも「自己責任」なので、そこはご注意を。

[よごそう祭りレーダーチャート][よごそう祭りレーダーチャート]

※よごそう祭りの感じ方には個人差があります。

SHARE THIS PAGE

Back Number